自動車業界で、新車発売前にデザインや特徴の一部だけを公開することで、消費者の期待感をかき立てる「ティザー(じらし)広告」が相次いでいる。消費者の関心を引き付け、ライバル車購入に「待った」をかけることで、自社の新車販売につなげるのが狙いだ。
ホンダは、小型ワゴン「エアウェイブ」発売の約1カ月前の3月から、同車を真上から撮影した写真をインターネットに掲載。特徴の巨大なガラス屋根をアピールする作戦を展開した。
トヨタ自動車も昨年秋に投入した上級セダン「マークX」の宣伝にこの手法を使用した。セダン市場が低迷する中で、発売後1カ月で目標の4倍を超える2万台以上の受注を獲得、同社は「『じらし効果』が表れた」(広報部)とみている。
じらし広告は「発売する車の認知度を高める上で効果的」(ホンダ宣伝販促部)。昨年、高級車「フーガ」など一挙に6車種を事前公開した日産自動車は、「車名を早く覚えてもらうと販売しやすい」という。
業界ではじらし広告について、顧客が競合車に流れるのを防ぐ効果が期待できる一方、既存車の買い控えリスクも伴うことから、慎重姿勢が目立った。しかし、各社が競って新型車を投入する中、「少しでも認知度を上げないと競争に負ける」(日産)との危機意識から、最近はじらし広告を相次いで採用しているようだ。
